【スペシャルインタビューシリーズ】フランス政府留学局
フランス政府留学局・日本支局から
ファニー・ドゥロームさん(日本支局長代理)と橋本妙子さんに
お話を伺いました。
JACSAC(以下、J):
フランスへの留学生数について最新の概況を教えていただけますか?
France(以下、F):
フランスのへの留学生数(高等教育機関)は
2013-14年度で295,084人、2014-15年度で298,902、と安定して少しずつ増えています。
歴史的にフランス留学で最も多い出身国はモロッコで
ここ10年で最も顕著に増えているのは中国からの留学生です。
日本から渡仏する留学生の数は
当局で統計を取り始めた2010年以降、年に1800?2000人の間を安定して推移しており、
2014-15年は1864名で、うち50%強は
(在学中の日本の大学の)協定校への交換留学とみられています。
また、2015-16年度にフランスの高等教育機関に在籍していた日本人学生数は2044人です。
大学間協定が増えている関係で
2017年はより多くの学生が渡仏するようになるかもしれません。
J:
2016年もまもなく終わろうとしています。
今年1年を振り返って
フランス留学にとってはどんな1年だったでしょうか?
F:
昨年から今年はいろんな事件があったので
留学生数についても懸念をしていたのですが
3か月以上の長期留学についてはほとんど影響がありませんでした。
フランスの場合
国としての特徴が際立っていることに起因していると考えられます。
フランス留学は特に「ブーム」のようなこともなく
極端に減ったり増えたりすることはありません。
英語圏への留学なら
「ここがだめならあそこ」とたくさんの選択肢があるかもしれませんが
フランスに関してはそもそも
この言語や文化に対する興味がなければ留学を検討しないのです。
J:
従来からフランス留学の強みとされている部分に加え
近年新しく発見された魅力などがあればご教示ください。
F:
近年注目が集まっているのがMBAに代表されるビジネスコースです。
伝統的に関心の高い芸術や食、ファッションに関しても
ビジネスとして勉強できる機会が注目されています。
たとえばMBAコースの一環として
ラグジュアリーブランドや高級ワインなどの
ビジネスやマーケティングに特化した勉強ができるという魅力に
評価が高まっています。
また、フランスのMBAは
グローバルビジネスといった視点からも選ぶ方が増えてきています。
欧州から世界を見るということ
英語での履修に加えてフランス語を習得できること、
そして、フランスと深い関わりを持つ
アフリカへのビジネスチャンスのフックにすることなどが大きいとみられます。
また、以前から国際機関でキャリアを得たい人にとって
フランスの大学院は魅力あるものです。
国際機関では修士課程修了は必須基準ですし
国際機関においてフランス語は公用語だからです。
そして、若い世代からの問合せは大変増えています。
当局は高等教育機関への留学を管轄しており
中学生、高校生の中等教育機関への留学を管轄していませんので
正確な数は把握していませんが
明らかに増えているという実感値があります。
主には高校生ですが、ときには14歳の子からも問い合わせがあります。
J:
フランス留学についての広報活動や、留学カウンセラーが知る機会を教えてください。
F:
広報活動として最も大きいのは
毎年行っているフランス留学日本縦断プロモーションツアーです。
今年も10月に行いました。
フランス留学のキャンペーンカーで北から南まで大学を回ります。
毎年5月に約12校の大学とともに欧州留学フェアに参加するほか
JASSO、大学が主催する留学フェアへの出展も行います。
また、毎年、エージェント対象の留学手続き説明会を行っています。
来年2月ごろにも開催を予定しています。
通年で利用いただけるものとしては「フランス留学ガイド」が便利です。
教育機関の種類や学位、教育システムの違いなどについて詳しく説明されているほか
関連のリンク集も載っています。
配布もしていますし、
Campus Franceのサイトからもダウンロードできるのでぜひご利用ください。
http://www.japon.campusfrance.org/ja/node/268558
J:
フランスだけでなく、世界、とりわけ欧州にとって
テロというのは今後の留学を考えるうえで
避けて通れないテーマになっています。
実際に、テロの影響をどんな風にお感じになっていますか?
F:
テロについては、現地でも警備はかなり強化されています。
口コミやメディアの情報は歪曲して伝わることもあるため
本国から来た情報を発信していこうと思っています。
もちろんとても治安の良い日本と比べれば
留学にはさまざまな心配はあるでしょう。
フランスに限ったことではありませんが
テロのような予測不能なことではなく
スリやひったくりといった事件は日本よりは警戒しても良いかもしれません。
しかし、それらはいたずらに怖がる必要はなく気を付ければよいことです。
どうしても心配だという方には、当局では
いたずらに人が集まるところにはむやみに行かないという
アドバイスはすることもあります。
しかし、たとえば7月14日(革命記念日)のパレードに到達するのに
「手荷物チェックを3回も受けなければ通過できなかった」
なんて話もあるくらい、警戒態勢は厳重です。
まずは予測不能なことを心配するよりも
自分で対処可能な危機管理からスタートすることをお勧めします。
J:
今後のフランス留学動向を楽しみにしています。
ありがとうございました。
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