聞いてみよう! 現役留学カウンセラーにインタビュー 「日仏文化協会」
留学・国際交流のお仕事に第一線で活躍されている方々に
インタビューするこのコーナーでは
色々な留学現場で活躍している方々にお話を伺います。
今月は、日仏文化協会/佐藤 満里子さんのご登場です!
● 勤務先:株式会社 日仏文化協会
URL http://www.ccfj.com/
<留学カウンセラーになったきっかけ>
大学卒業後にフランス専門の留学エージェントに約5年勤務。
その後、1年半パリへ留学。
パリ語学学校アコール校にてスタージュ(研修)を経験。
帰国後、フランスに本社のある日本支社に勤務し異業種を経験するも
好きだった留学の仕事に戻りたいと日仏文化協会へ入社。
カウンセラー歴11年目。
■ フランス料理店での食事から始まった留学キャリア ■
佐藤さんにとってフランスとの最初の出会いは
フランス料理店だったそうです。
(佐藤さん談)
「高校生の時に
叔母に連れていってもらったフランス料理店
(今も乃木坂にあるChez Pierre シェ・ピエール)で
美味しくお料理を頂いた時に
シェフがフランス語で話しかけてきて下さいました。
『とても美味しかった』と伝えたいだけなのに
フランス語がわからない。」
それを境にフランス語を学ぶことを決意。
大学でフランス語を専攻し
パリでの短期留学も経て
フランス留学専門の留学カウンセラーになりました。
「初めてフランス語でビジネスメールの連絡が出来た時の
嬉しかった気持ちは今もまだ覚えています。」
アルバイトから本格的に留学カウンセラーへの道を歩み始めた佐藤さんは
さらなる留学と転職を経て
現在は留学カウンセラーとして
主に長期の語学留学を担当されています。
フランス語・フランス文学専攻の大学生の相談者が多いなか
高校を卒業したばかりという年代から80才代のシニア層まで
幅広い世代の留学相談があると言います。
■ フランス留学とテロの脅威について ■
フランス留学相談者からは
近年発生しているテロや治安面のご相談もあるのではないでしょうか。
実際の相談現場について佐藤さんに尋ねてみました。
「テロ以降は
短期留学に関しては例年よりも数は少なめです。
ただ、長期留学や専門性のある留学については
フランスに行って実際に勉強したいという気持ちを
以前よりも
かなり強くもって渡仏される方が増えているように思います。
フランスでなければ学べない。
行くことによって夢をかなえたい方。
このような状況になった事で
フランスの持つ真の魅力を改めて感じています。」
テロに際してのフランスの状況
そしてフランス人のテロの受け止め方について
佐藤さんはこう語ってくれました。
「パリでのテロの際には私もちょうど出張中で
当日はボルドーに移動していました。
亡くなった方を悼みつつも
テロに屈せずに前を向いて
日常をいち早く取り返そうとするフランス人の決意とも言える強さ、
そして
個々が成り立ったヨーロッパならではの
社会的な思いやり=solidarite(団結)は
日本で繰り返し報道された悲惨な映像や
ただ恐いという印象とはかけ離れた
人間らしい暖かいものがありました。
先日エクサンプロヴァンスから帰国されたお客様とお会いしたのですが
日本での報道でのイメージと
実際の治安についての違いについては驚かれていました。」
フランスに限らず、現在は世界のどこででも
テロの脅威とは無縁ではありません。
実務上で心がけておられるアドバイスや対応策などを教えて頂きました。
「勿論テロの脅威が全くなくなった訳ではありません。
人が多く集まるところやリスクの高いエリアにはいかない等
1人1人が心がける事は大事です。
緊急時には早い段階で正確な情報を得る事も大切です。
日仏文化協会では、外務省へ在留届を提出し
緊急時にメールを受け取るよう推奨しています。
その他、フランス国内17都市の現地スタッフによる
ネットワークを利用して
緊急時のSNSを利用した情報提供や安否確認
お電話での連絡を行っており
滞在中の安心に繋がるサポートを実施しています。
現在様々な連絡手段がありますので
緊急時の連絡方法等についても
ご家族様同士で事前に決めておくように推奨しています。」
■ 自分が楽しめる事でフランスに関わる ■
留学に携わる一個人として
今後取り組みたいことを尋ねてみたところ
『開かれた心』というキーワードが戻ってきました。
「お客様のお話しを聞くにあたって
自分自身が『開かれた心』で興味と関心をもつように心がけています。
そのためにも
仕事以外では自分が楽しめる事でフランスに関わっています。
今はフランス語通訳ガイド対策の授業を勉強して
日本の歴史をフランス語で学んでいます。
フランス語で学ぶ日本って一味違ったものとなり
とてもおもしろいです。
後は好きなワインやお酒を飲んで、
とりわけワインについては
フランスの様々な地方のワインから
グルジアワイン、イタリアワインなど幅広く楽しみます。
また、ヨガ、マラソン等
日々こまめににストレス発散するようにしています。」
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『開かれた心』。
自分の『開かれた心』を問われたような気になるインタビューでした。
『開かれた心』とは決して難しいことではなく
佐藤さんの行動に学べるように関心の赴くまま楽しく取り組むこと。
佐藤さんのキャリアの始まりがフランス料理店だったように
『開かれた心』が思わぬ人生を導いてくれるのかもしれません。
それは留学相談者の人生にもそのまま通じることなのでしょう。
佐藤さん、ありがとうございました。次回のインタビューもお楽しみに!